韓国ひとり旅行記③|水原華城(後編)、イサックトースト、ジャジャンミョン、夜市、帰国

ひとり韓国旅行日記 アジア

1日目と2日目の日記は下記リンクから↓

韓国旅行3日目の予定

●韓国旅行3日目の予定

朝:イサックトースト

目的:水原華城

夜:チャジャンミョン+タンスユク

9:27|イサックトースト明洞店

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韓国の有名チェーン店「イサックトースト」。朝ごはんにピッタリなホットサンドがウリのお店で、明洞にも当時2店舗あった。どういう基準でどっちの店舗に決めたのかも、3年経った今では覚えていないが、朝九時過ぎにも関わらずお店の前にはちらほらと人が並んでいた。

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写真があるので、旅行者も注文しやすい。

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注文番号の書かれたレシートを受け取ると、番号が呼ばれるまで店の前で待つ。その間にも、ホットサンドを受け取った人々が店の前にちょこんと置かれた小さな席であったかそうなホットサンドを黙々と食べ始めていた。

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「42~」

番号が呼ばれ、レシートを片手に受け取りに行くと、ビニール袋に入れて手渡された。店名が赤い文字でプリントされている。

旅行中のこういうオリジナリティある消耗品、使わないのに持ち帰りたくなってしまう。この時も確か、小さく折りたたんで鞄にしまった。

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タイミングよく座席がひとつ空いたので、いそいそとそこに腰をおろす。ビニール袋からホットサンドの入った包を取り出すと、当然ながら温かい。

韓国旅行のVLOGで見て以来、1年以上の間恋焦がれていたイサックトースト。念願のホットサンドとついにご対面…。

(この後、かじりかけの写真が掲載されます。食べかけが苦手な方は薄目で飛ばしてください…(_ _))

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シンプルな卵と、ベーコン。記憶ではケチャップのほかにチリソースらしい甘酸っぱいソースがアクセントになっていて、とても美味しかった。

帰国後、その味を再現しようと何度か試したが、時間の経過とともに記憶が淡くなることもあって、未だに再現はできていない。

片手でペロッと食べられるので、旅行中の忙しい朝にもってこい。しかも美味しいときたら、これは人におすすめせざるを得ない。

次回の旅行でもきっと行く。

10:01|キムマリとの出会い

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水原へ向かう前に、明洞を探索していると、賑やかな音楽のかかる路地裏で総菜の屋台を発見した。

人気の総菜がカップや小さめのプラスチック容器に入れて、並べられており、確かトッポギやタッカンジョン、キムパなどもあったように思う。

その並びに、キムマリがあった。

今回、食べるものリストからやむなく敗退した料理のひとつである。単体で食べる印象がなかったので、食べるならトッポギと一緒に、と思ったのだが、トッポギなら日本でも食べられるという理由で惜しくも繰り越しとなっていた。

トッポギを食べるほど腹の余裕はないものの、キムマリは想像で作るくらい憧れていた。せめてキムマリだけでも…。

異国の屋台は、多少衛生面が懸念されたものの、憧れに勝るものなし。

「イッ、イゴ チュセヨ!」

気付いたら、拙い言葉で注文していた。

もう何年も切望していた本場のキムマリ。様々な角度から写真を撮って、いざ、緊張の面持ちでぱくり。

想像ではカラッとした天ぷらのような軽い食感の衣の内側で、もちっとした春雨のうまみが広がっているものと思っていた。

「ん…」

視線が段々と下がっていき、地面の上をゆらゆら。食感こそ想像通りだったが、かなり薄味で、モッパンユーチューバーの方がトッポギのタレに漬けて食べている理由がよく分かった。

よくよく考えてみれば、中に包まれているのはただの春雨だ。お店によっては、甘辛く炒めた春雨を使っているところもあるようだが、この時私が買ったキムマリは(恐らく)トッポギなどのソースに漬けて食べるおかずだったのだろう。

改めて写真を見返すと、キムマリの薄い衣の向こうに覗く春雨の澄んでいること。興奮で、冷静に味を想像できなかった。今度はトッポギも併せて注文することを、心に誓った。

10:52|ソウルから水原へ

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2度目となれば慣れたもの。前日同様に窓口で水原行きのKTXのチケットを購入し、電子掲示板で電車の発着ホームを確認する。

受け取ったレシートに印字された座席へと腰を下ろしたら、あとは到着するまで電車の中でのんびり待つのみ。

11:51|水原観光案内所

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もう明日は帰国日。水原華城へ行けるとしたら、この日が最後。本来ならば別の世界遺産を見に行く予定だったが、それをやめて水原に戻ってきたのだ。今度こそは迷うわけにいかない。

そこで駅前の観光案内所へ行き、改めてバス乗り場を教えてもらうことにした。

重たい扉を開けて観光案内所へ入ると、目のまえにカウンターがあった。カウンターの奥にいる三人の受付嬢の視線を一身に浴び、緊張しながら真ん中のカウンターへと向かった。

「ア、アニョハセヨ…、スウォン…」

水原華城へ行きたい、と伝えるより早く、受付の女性は口を開いた。

「日本人ですか?」

「あ、はい」

突然の流暢な日本語に目を見開くと、左手にいた女性が手をさっと挙げ

「日本の方はこちらでご案内します」

と言われた。旅先で母国語が聞こえると、どうしてあんなにも安心するのだろう。無意識にこわばっていた肩の緊張がほどけ、するすると言葉が出てくる。

「水原華城へ行きたいんですけど、バスがわからなくて」

受付の女性は「水原華城ですね」と確認すると、カウンターの下からガイドブックと何やら小さなメモを取り出した。切符状の小さなメモには、何やら数字が書いてある。

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「水原華城へ行くバスはこの番号です。バス停は、ここの目の前の通りにあります。バスに乗ったら、5つか6つ目(何個目のバス停と言ったのだったが、今ではうろ覚えだが、確か5つ目か6つ目と教わった。)のバス停ですよ」

受付の女性は丁寧にゆっくりと説明をしてくれ、ガイドブックとメモを受け取ると深々と頭を下げて、観光案内所を出た。

言語の壁を恐れずに、1日目からこうするべきだったのだ。

12:10|八達門に到着

水原華城

バスに揺られること数分、窓の外に城砦が見え、降車ボタンを押した。城砦の見える直前までオフィスビルが立ち並ぶ見慣れた街並みだったにもかかわらず、突然に石造りの砦が現れて大変驚いた。

バスを降りると、自分のいる場所を確認するために一度グーグルマップを開く。水原華城の回り方は、事前にネットで調べていたので、その通りに行くつもりであった。

だが、あんまりに広い。自分のいる場所と、ネットで見ていた情報が合致せずに、結局適当に歩き始めた。

水原華城とは|父への想いから築造された李氏朝鮮王の広大な城郭

水原華城は李氏朝鮮の第22代の王・正祖(チョンジョ)が築いた城郭。

チョンジョの父は王の世継ぎでありながら、政争に巻き込まれて亡くなった。その死を弔うため、当時風水的に最高の地と言われていた水原へ改葬。

父のそばにいられるように、ソウルから都を移そうと築造されたのが水原華城だ。

設計を担当したのは実学(生活に役立つ実門的な学問)に精通した実学者で、1974年に着工すると2年という短い期間で完成させた。

結局、築造された直後にチョンジョが亡くなり、遷都はされなかったが、チョンジョの想いが造らせた壮大な城郭は今も多くの人を魅了している。

参考阪急交通社「水原華城|韓国 世界遺産」

12:29|城壁沿いに歩く

水原華城

バス停を背にまっすぐ歩き始めると、ほどなくして市場のような場所に出る。行きかう車に注意しながら、黙々と進む。この通りに食堂やお土産屋さんがあったので、時間に余裕があればのんびり観光しても楽しそう。

水原華城

道なりに進む。

水原華城

市場を抜けると、城壁沿いへの階段がある。城郭内に点在する城砦は目立つので、地図が読めなくとも辿り着くのはさほど難しくなかった。

水原華城

上記の写真にも写っているが、城郭内では旗の色で方角がわかるようになっている。東が青、西が白、南が赤、北が黒。この写真の旗は赤色なので、私は南側から歩き始めたことになる。

水原華城

城壁沿いに歩いていると、街の方に見えた様式の建築物。荘厳な雰囲気に惹かれて写真に収めたものの、未だに何なのかわかっていない。

12:51|蒼龍門

水原華城

水原華城にある四つの門のひとつ「蒼龍門」。大変お恥ずかしいのだが、旅行中には、これが蒼龍門とは全く気付かなかった。改めて記憶をたどる中で、写真を見返して、ようやく気が付いた。

12:56|ひと休み

水原華城

歩き続けることおよそ30分。水原に着いてから水すら飲まずに歩いてきたので、見かけたカフェで休むことに。

水原華城

恐る恐る入ってみると、客は私の他おらず、穏やかな表情の女性店員がひとりカウンターに立っていた。

水原華城

疲れた時には甘いもの。指さしでチョコレートドリンクを注文すると、窓際の席に腰を下ろした。

13:40|観光バスでゆったり巡る

水原華城

再び歩き出すと、何やらバスが止まっている。遊園地や、広い公園で見かける、トロッコのような愛らしい造りの観光バスだ。

城郭を徒歩で歩き始めて分。殆ど人とすれ違わずに寂しくなっていた。地図が読めないため、これ以上、どれくらい歩くのかもわからない。そこで受付を探し、バスの切符を購入した。

水原華城

後々徒歩でも訪れるが、上記の写真は華虹門という水門。

13:47|長安門

水原華城

水原華城の中でも北に位置する長安門。

水原華城

ぼんやりと揺られながら見た穏やかな景色。

14:13|ふたたび歩く

約30分のバス旅が終わり、バスから降りる。当然、そこがどこかなどわかっていない。思い返すと随分無謀な旅の仕方である。一人旅なのだから、せめて地図を読めるようになっておけ、と言いたい。

のんきな私はふらふらと、城郭に沿って歩き出した。歩く。歩くあるく。ただひたすらに、一周するまで歩き続けた。

水原華城

旗の色から察するに東側の城壁沿いにいるようだ。

14:24|華虹門

水原華城

バスを降りて約10分、水原川にかかる、この美しい水門が華虹門である。映えスポットとして、最近ではSNSで人気があるそうな。

事前に詳細を知らずとも、カメラを手にしてしまうくらい存在感がある。

ちなみに、華虹門の近くにはカフェも点在してたので、このあたりで一休みして、夜景を見て帰るのも良いなぁと今更ながら思う。

水原華城
ユニークなゴミ箱。

 |ただひたすら歩く

水原華城

さて正直言って、華虹門に着いた時点でかなり疲労が来ていた。しかしせっかくの旅行。楽しまなくては勿体ない。

水原華城

14:37 旗の色が黒いので北だ。南からスタートしたので、反対まで回ったことになる。

水原華城

14:50 旗の色が白い。西側だ。

水原華城

14:58 歩く。

水原華城

15:05 歩く。

水原華城

15:08 まだ歩く。

水原華城

15:22 もう少し歩く。

15:30|街に戻る

水原華城

八達門に到着してから約3時間半。市街地に戻った。映えスポットと思しき場所を見つけたので、何の足しにもならないのに記念に写真に収めた。

夜景も綺麗らしいので、その頃までいたい気持ちもあったが、慣れない場所で夜歩くのはやはり怖い。ホテルが近ければ良いが、バスや電車の時間が合わずに明洞に戻れないのも困る。

そこで、後ろ髪をひかれながらもバスに乗り込んだ。

16:17|さよなら水原

水原

水原駅に戻ったのは、16時を過ぎた頃。帰りもKTXのチケットを取り、発車時刻まで少しの間、水原駅構内を散策した。

17:43|香港飯店PLUS+0410で夕ご飯

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韓国旅行、最後の夕ご飯は、念願の香港飯店PLUS+0410。今は日本にも進出している。

チェーン店の良いところは、気兼ねしないところだ。観光客が多いので、溶け込みやすい。変に肩肘を張らずに、落ち着いて味わえるのが良い。

席を確保すると、メニューを見て頼むものを決める。形だけメニューを見はしたものの、席に着く前から頼むものは決めていた。

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注文は、座席ではなくカウンターで行う方式なので、一度席を離れる。注文を終えると、フリーのたくあんと玉ねぎを小皿によそい、席に戻った。

待つこと数分、思い焦がれたチャジャンミョンがやってきた。

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てらてらと照明を反射するどす黒いソース。その下の中華麺とよく和えて食べる。

見た目のインパクトは強いが、案外優しい味。中華麺も、日本でよく食べられるものとは違い、うどんのような柔らかい食感だったと記憶している。

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続いてタンスユク。こちらもキムマリと同じく、自宅で味を想像しては何度も作っていた。

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韓国風酢豚であるタンスユクは、甘酢餡と揚げ豚が別に提供されて、餡に浸して食べるタイプと、餡を揚げ豚と絡めて提供される派閥があると聞いていたが、香港飯店では後者であった。

時間の経過とともに味は忘れてしまったが、念願のタンスユクを食べることが出来て、とても満足であった。

ただ一人でこの量を食べきることはできず、帰り際、お店の方に持ち帰り用に包んでいただいた。(ちなみにこのタンスユクは、3サイズある内の一番少ないサイズです)

21:39|明洞をラスト散策

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今にもはち切れそうなお腹をさすりつつ、最後の散策をする。写真はないが、アクセサリーショップやスーパーなどでお土産を見て回った。

そしてホテルに戻る前、最後にもう一度夜市を回っていると、人が列をなしている。何事かと遠目に様子を窺うと、ハットグの屋台であった。

旅行中、最後の夜市。満腹であるものの、列をなすほど人気の屋台を見かけたら並んでしまうのは旅行者の定めである。

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並ぶこと数分。列はするすると進み、目の前で焼かれたハットグを受け取る。落ち着いて食べるためにホテルへ持ち帰ると写真を撮ったあとでかじりついた。

カリッふわっとした軽い食感のパンの中から、とろっと温かいハチミツと、ごろごろ食感の刻みナッツが現れる。なんて美味しいんだ。

初めてハットグを食べたのは、友人の学園祭でのこと。その時も、あまりの美味しさに名前を忘れまいとメモをしたが、やっぱり美味しい。ハチミツとナッツがこんなにも合うなんて、私はハットグを食べるまで知らなかった。

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クリスマスツリーとハットグの2ショットをば。

韓国旅行、帰国日

9:25|明洞大聖堂のミサに参列

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ついに最終日。朝は、前日持ち帰った香港飯店のタンスユクを食べた。フライトの時間が早いので、時間的に観光する余裕はない。

そこで最後にもう一度、明洞大聖堂へ向かった。観光している人はあまりいなかったものの、地元の方と思しき人々がちらほらといた。

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敷地内を散策していると、最初に来た時には入らなかった明洞大聖堂への扉が開いていることに気が付いた。

気になって中に入ると、ぽつ、ぽつと会衆席に腰を下ろしている人がいた。あまり見回すのも失礼に感じ、周りの人に倣って腰を下ろす。

静謐な空気が漂い、カバンを持ち直すのにも気を使う。せわしなく、すぐに立ち上がる雰囲気でもないので、じっと瞑想していると、開いていたはずの扉が閉まり、神父が入ってきた。

日曜日ではなかったが、どうもミサが行われる日だったようである。もしこれが旅行の中日なら、タイミングが合って喜ぶところだが、最終日である。飛行機の時間を理由に、観光しないことを決めているくらい予定は迫っている。

ミサの最中も、きちんと搭乗に間に合うか不安でたまらず、頭の中ではこの後の予定を円滑に遂行すべく繰り返しシミュレーションを行っていた。

12:22|仁川空港着

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無事、仁川空港に到着し出国ゲートに入る。予定外のミサ参列で一度はどうなることかと一人焦っていたが、私はいつも早く着きすぎるように予定を立てている。

「もし、電車が遅延したら?」「もしチェックインでトラブルがあったら?」、これを毎日の通勤でも行うせいで、心身を疲弊してうつ病になったこともあるくらいだ。遅れる方が珍しい。

飛行機の搭乗より2時間以上早く、出国ゲート内に入ることができた。

13:13|仁川空港でお昼ご飯

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搭乗ゲートの場所も確認した上で、お昼ご飯を食べにフードコートへ行った。フードコートは大賑わいだったが、一人客用のカウンターは空いていた。座席を確保すると、韓国らしいものをと注文に向かった。

頼んだのは、ラーメンのキンパセットである。ラーメンはいつでも食べられるが、キンパとセットで食べたかった。韓国のVLOGでは、よくラーメンとキンパをセットにしている。

後は飛行機に乗るだけなので、気楽も気楽。この旅行中、最も安心しきって手を合わせた。

柔らかいちぢれ麺に、スパイシーなスープ。日本でも人気のインスタント麺を思わせる、馴染のある味。

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食べ慣れた味も、その場所によって格別なものとなることを実感した一食であった。

14:16|帰る

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ランチをしてもまだ余裕があったので、スターバックスでカフェラテを買った。離着陸する飛行機をぼんやりと眺めながら、この旅行のことを振り返っていた。

明日からの、七面倒な日常生活のことはもう少し忘れていたい。

再び日常へ

さて、2022年12月に行った韓国旅行の記録はこれで終いだ。もし最後まで読んでくれた方がいたなら、お付き合いくださったことに感謝申し上げます。

この旅行以来、もう3年近く海外旅行はしていない。またそのうち、どこか海外に旅行したいものだ。韓国も良いけれど、まだ行ったことのない、どこか遠くの国へ。

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